第2回坊っちゃんセミナー

 2017年5月13日、愛媛大学にて,東北大学 桑原雅夫先生、横浜国立大学 三浦詩乃先生を講師としてお招きし、第2回坊っちゃんセミナーを開催しました。


桑原雅夫 東北大学情報科学研究科 教授
平安京の交通流に関する一考察

配布資料

 平安京の人の動きを再現する試みをご紹介されました。当時の史料から得られる土地利用状況と人口に関する情報をもとに、平安京内部のOD交通量を推定し、街路交通量やトリップ長分布を試算しました。また、小右記の記述をもとに、ある一日の貴族(牛車)と歩行者の動きを再現することで、平安京に存在したと考えられる交通問題をご紹介されました。


規範的避難行動によるベンチマーク解析

配布資料

 避難施策の設計では、想定すべきシナリオ数が膨大となり、最適な避難シナリオを得ることが困難となります。一方、規範的避難行動を仮定することで、「真に最適な避難シナリオを得る」ことが可能となります。ご発表の中では、石巻市と高知市ネットワークを対象に、避難行動を最適に制御できた場合の避難シナリオを線形計画問題として定式化し、基準(ベンチマーク)となる最適避難パフォーマンスを得る取り組みがご紹介されました。



三浦詩乃 横浜国立大学都市イノベーション研究院 助教
人間中心の街路へ 利活用の意義と過渡期にあるマネジメント

配布資料

 ニューヨークや旭川など国内外の歩行者空間創出の事例分析から、豊かな街路空間を創出するためには、戦略的なエリア設定と、パイロットプロジェクトの選定といった空間づくりのプロセスと、空間の利活用を促進するエリアマネジメント組織や大学等の民間組織による空間の管理が重要であることを示しました。