愛媛大学 工学部 工学科 社会基盤工学コース + 社会デザインコース
大学院 理工学研究科 理工学専攻 環境建設工学講座

ABOUT ARCHITECTURE AND CIVIC DESIGN COURSE
令和8年度開設の建築・社会デザインコースについて

令和8年度から、建築・社会デザインコースを開設し、愛媛県内の高等教育機関で唯一となる一級建築士の受験資格への対応を目指した新たなカリキュラムを導入します。本コースでは、建築と土木の知見を横断的に活用し、機能性と感性を両立した建築・都市空間を総合的かつ戦略的に構想して実現するアーキテクト・エンジニアの育成を目的に掲げています。

特色ある講義

設計製図演習

設計製図演習
  • 愛媛を舞台に、住宅から公共施設まで幅広い課題にチャレンジ 。
  • 広い視野で社会をデザインする力を育てます。
  • デジタルツールとアナログの両方を実践的に学びます。

建築と社会のデザイン

建築と社会のデザイン
  • 建築と土木を横断しながら、広い視野と多角的な考え方を身につけます。
  • 様々な知識を統合する能力を磨き、デザインの創造性に触れていきます 。
  • 名建築を見に行くことで、社会の中での建築の役割を学びます。

教員からのメッセージ

矢野 寿洋
准教授・一級建築士 


松山・三津浜で育ち、東京大学で建築を学んだ私も、新コースの誕生にわくわくしています。

これまで「だんだんPARK」や「亀ヶ池温泉」など、愛媛を中心に様々な建築をつくってきましたが、地域で未来を担う皆さんが建築を学ぶことに、大きな期待を寄せています。

学生の皆さんには、建築の基礎に加え、「まち」や「文化」への好奇心、ものづくりへの情熱を持ち、学生生活と人生を全力で楽しんでほしいです。皆さんの活躍を楽しみにしています。

准教授 矢野 寿洋

多田 豊
准教授・一級建築士


これまで建築設計と都市計画の実務と他教育機関での教育実践を経験し、この春より愛媛大学に着任しました。

災害対策や空き家問題等の社会課題を解決するには、建築と都市計画の両方の知識が必要です。授業では単に知識を得るだけでなく、実際に地域に出て課題を発見・分析し、建築と都市計画の両方のデザインで解決を提案する問題解決型の教育をたくさん取り入れたいと考えています。

皆さんと一緒に建築から都市計画まで幅広く学び合えることを楽しみにしています。

 准教授 多田 豊

横山 勇気
助教 


私はこれまで、橋梁やダムなどの土木構造物に使用されるコンクリートを研究してきましたが、現在は、3Dプリンタ技術を使った新たなコンクリートの製造方法に関しても研究しています。

この研究は、意匠性の自由度の向上や省人化に加え、建築の法律にも深く関連するため、土木と建築の両方の視点が大切です。

土木・建築分野をより魅力的な分野にするためにも、皆さんとともに新たな未来を考えていきたいと思っています。

助教 横山 勇気


本コースの講義は、大学院理工学研究科理工学専攻環境建設工学講座に所属する教員が担当します。詳しくは、 研究分野・スタッフ をご覧下さい。 また、世界的に活躍し、愛媛にも縁のある建築家・伊東豊雄先生が客員教授として指導にあたります。


取得可能な免許・資格

資格取得が就職を優位にし、未来のキャリアアップへ導いてくれます。 指定科目を取得することで、学科試験の一部が免除される資格や、 卒業後に実務経験を積むことで取得できる資格には次のようなものがあります。

建築士(建築士法、※申請中)

在学中に国土交通大臣の指定する建築に関する科目を修めて卒業した者は学科の試験の受験資格が得られます。[主務官庁 国土交通省(一級)、各都道府県(二級)]

技術士 (技術士法)

第1次試験(技術士補)を受験・合格し、技術士補(修習技術者)となった後、定められた期間の実務経験により、第2次試験(技術士)を受験することができます。[主務官庁 文部科学省]

測量士(測量法)

在学中に測量に関する科目を修得した者は、願い出により測量士補の資格を受けることができます。在学中に測量に関する科目を習得し、卒業後1年以上測量に関する実務の経験を有する者は、願い出により測量士の資格を受けることができます。[主務官庁 国土地理院]


この他にも、指定科目を取得することで、土木施工管理技士(建設業法)、建設機械施工技士(建設業法)、建築施工管理技士(建設業法)、教育職員免許 (教育職員免許法)などの免許・資格が取得できます。詳しくは、工学部案内・各資料(デジタルパンフレット) の工学部案内をご覧下さい。

入試

学校推薦型選抜Ⅰ(4名)※1、一般選抜文理型入試(21名)※2及び一般選抜理型入試(5名)※3にて募集します。詳しくは 愛媛大学の入試情報ページをご覧下さい。

  1. ※1 学校推薦型選抜Ⅰは「建築・社会デザインコース」として募集します。
  2. ※2 一般選抜文理型入試で入学した学生は入学時から「建築・社会デザインコース」へ所属します。
  3. ※3 一般選抜理型入試(前期の理型入試A、理型入試B及び後期の理型入試)で入学した学生は1年次後学期開始時に、学生の希望と1年次前学期の成績をもとに配属コースを決定します。

教育の理念

人口減少や高齢化といった大きな社会変動に直面している日本では、これからの国土や地域のあり方について、社会全体で共感できる「こうありたい」という未来像を描くことが重要です。それは抽象的な理想にとどまらず、社会的な合意形成と実現可能性を踏まえた具体的な建築・都市空間の提案として具現化されなければなりません。

そのためには、建築・都市空間とそこで暮らす人々の活動や移動との新たな関係を構築する発想力と空間を表現する力が求められます。本コースでは、多様な価値観や社会的規範を深く理解し、その中から人々の感性に響く未来の姿を描き出し、手を動かして考え抜くプロセスを重視します。人間中心の工学技術を活用し、まちづくり、モビリティ、環境対策等の課題に応えながら、建築と土木の知見を横断的に活用し、機能性と感性を両立した建築・都市空間を総合的かつ戦略的に構想し実現するアーキテクト・エンジニアを育成します。

FAQ

コースの概要について

Q 他大学の建築系のコースと比べて、特徴的な点はどこですか?

A 他大学の建築系コースの多くは、基本的に建築学のみを学びます。それに加えて土木工学も学べるコースもあります。一方、建築・社会デザインコースでは、デザインに重点を置き、より広い視点から総合的なまちづくりに関する能力を得られるようなカリキュラムを設けています。

Q 社会基盤工学コースとの違いはどこですか?

A 社会基盤工学コースは社会基盤工学(土木工学)に関する知識・技術を有するエンジニアの輩出を目指しています。
一方、建築・社会デザインコースでは、土木工学に加えて建築やデザインの知識を習得し、総合的なまちづくりや空間デザインで求められる能力を身に着けたアーキテクト・エンジニアを輩出することを目指します。土木系とデザイン系の専門科目の一部については、社会基盤工学コースと同じ授業を履修する場合もあります。

Q 社会共創学部の環境デザイン学科との違いはどこですか?

A 建築・社会デザインコースでは、建築学に関する知識を習得でき、カリキュラムが一級建築士の受験資格の取得に対応している点が最大の違いです。さらに、社会共創学部の環境デザイン学科が持続可能な社会の実現や環境との共生に重きを置くのに対し、建築・社会デザインコースでは、土木・建築・デザイン・都市に関する広い知識を修得し、総合的なまちづくりや空間デザインに貢献できる卒業生の輩出を目指します。

入試について

Q 文理型入試に変更はありますか?

A 令和8年度入学者選抜試験については、令和7年度入学の社会デザインコース対象の文理型入試から変更はありません。これは、入学時に建築・社会デザインコースで求められる能力が、現在の社会デザインコースと大きく変わらないためです。前期日程については、個別学力試験では、数学IIIを課さない数学と、英語の試験があります。後期日程では、大学入学共通テストでは数学のみが必修の、自由度の高い選択が可能な配点をしており、個別学力試験等では面接により受験生の学習意欲などを総合的に評価します。 なお、入試科目や配点については、随時見直しを行っていますので、最新の情報は大学の入試情報ページを参照してください。

進路について

Q コースを卒業した学生の進路はどのように想定していますか?

A 従来の主な就職先であった、建設業(ゼネコン)、建設コンサルタント、公務員、に加え、設計事務所やハウスメーカーなどの建築関係の進路も開かれると想定しています。

Q 「建築・社会デザインコース」から大学院への進学希望する学生について、想定はしていますか?

A 建築・社会デザインコースを卒業生のうち、さらなる学修を希望する学生については大学院に進学することを想定しています。第1期生となる令和8年度入学生が卒業するまでには、建築系科目や分野横断的科目を含めた大学院のカリキュラムを整備することを考えています。

資格取得について

Q 建築・社会デザインコースに進学する学生は全員が一級建築士の受験資格を得ることができますか?

A 建築・社会デザインコースでは一級建築士受験資格の取得に対応したカリキュラムを設けます。入学者のうち、資格取得の要件となっている科目の単位を卒業までに取得した学生が、受験資格を得ることができます。

Q 社会デザインコース(旧コース)学生は、一級建築士の受験資格を得ることができますか?

A 旧コースのカリキュラムには建築系の科目が含まれていないため、一級建築士受験資格の取得には対応していません。資格取得に対応しているのは令和8年度入学生からです。

カリキュラムについて

Q 他学部や他コースに所属する学生でも建築系の科目を履修することはできますか?

A 工学部の他コースに所属する学生も、他の授業と同様に、教育コース長または工学科長および授業担当教員の許可があれば建築系の科目を履修できます。ただし、実験、演習、実習科目は使用する設備や機器の数に限りがあったり、実習先の受入れ人数の上限があったりするため、履修できる人数に制限があります。(コースの学生が優先となりますので、原則として他学部・他コースの学生は履修できません。)他学部の学生については、工学部長および授業担当教員の許可が必要です。このため、一級建築士の受験資格を取得することができるのは、建築・社会デザインコースの学生に限られることになります。

Q 文理型入試で入学した学生でも建築・社会デザインコースで設けるカリキュラム・授業に対応できますか?

A 建築・社会デザインコースでは、現行の社会デザインコースと同様に、1年次や2年次には、物理学などの基礎的な自然科学に関する知識を修得することになります。これらについては、現在と同様に、文理型入試の学生でも修得可能になるような初歩的な授業を実施するので、文理型入試での入学者であっても単位の取得に大きな支障はないと考えています。

Q 理型入試で入学した学生でも建築・社会デザインコースで設けるカリキュラム・授業に対応できますか?

A 理型入試の学生(定員5名の予定)が建築・社会デザインコースに移行した場合でも、履修する専門科目のほとんどは、文理型入試で入学した学生と変わらないようなカリキュラムを設けます。このため、理型入試の学生が建築・社会デザインコースへ移行した後に、文理型入試の学生よりも単位の取得が難しくなるようなことはないと考えています。