構造数理工学研究室

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定量的非破壊評価Quantitative Non-Destructive Evaluation)

超音波を利用して,材料を破壊することなく内部または裏面の“きず”を検出する技術は,超音波探傷法と呼ばれています.定量的な超音波探傷のためには,
「超音波の伝搬挙動を推定できる順解析技術の確立」,「きず評価のための逆解析手法の構築」,「探傷現場で使えるリアルタイム解析技術の開発」が不可欠だと考えています.

(1)波動解析技術の確立

超音波の伝搬・散乱問題を解析する数値計算ツールを研究しています.計算法として境界要素法(BEM),高速多重極境界要素法(Fast Multipole BEM)等を用い,材料内部の可視化,欠陥エコーのシミュレーションを行っています.

BEM解析例: フェーズドアレイ探傷試験における波動伝搬シミュレーション

FMBEM解析例: 表面粗さを有する割れ(き裂)からのエコーの数値解析

(2)逆解析手法の構築

超音波探傷試験では,材料内部のきずの形状評価や材料定数の推定等が行われています.これらは,計測結果からその原因(内部構造)を推定する逆問題として定式化することができます.ここでは,波動理論,波動解析を援用した新しい逆解析法(逆散乱イメージング法)を提案し,より定量的な非破壊評価手法を目指しています.

逆解析例: アレイセンサーを用いた人工欠陥の再構成(シミュレーション)

(3)現場で使える解析技術の開発

波動伝搬のシミュレーション技術や逆解析技術を開発したとしても,計算・解析に時間がかかるようでは実際の探傷現場では役に立ちません.ここでは,シミュレーション・解析の精度を低下させることなく高速に実行するための研究開発,さらにはVisual Basic・Matlab・LabVIEW等を用いたユーザーインターフェースの構築を行っています.

例:マルチガウシアンビーム(Multi-Gaussian beam)モデルを用いた超音波伝搬経路(放射音場)の高速表示技術
* これらの研究はすでに,終了しています.

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