愛媛大学
沿岸環境・防災研究分野
日向研究室

大学の学び

大学での学びについて

 大学の学びで大事なのは,知識を体系化する(しようとする)ことです.知識のネットーワークを構築する,と言ってもいいでしょう.体系化されていない知識で解決できる諸問題は,おそらく既に解決されているでしょう.海洋プラスチック問題,地球温暖化問題や自然災害に立ち向かったり,新製品を開発するためには,高度に体系化された知識が,そしてその様な知識を持った人々が必要なのです(図1).
 大学の授業には,基礎的な科目,特定分野の科目から,分野横断的な科目,PBL(Problem Based Learning)などがあります.前者は,ネットワークのノード形成,後者はノードとノードを繋げる( ネットワークを構築する)ことに対応します.大事なことは,各自がそれぞれの講義の位置付けを自分なりにきちんと把握した上で講義に臨むことです.
 大学の授業は,学年が進む程,実際問題に近づいていきます.3年生の専門応用科目では,実際の問題についても多く扱います.それでも,実際問題と大学の講義には隙間があります.これを埋めるのが,研究室での学びです.あるいは,実際問題の先を見据えた学びをしていくのが研究室,特に大学院での学びです.ただし,底辺に位置する基礎科目ほどその影響範囲が広い,ということを忘れないでください(図2).しっかりと基礎を勉強してください.ネットワークを育む畑の土に当たるのが,教養であったり,体験(インプットとアウトプット),あるいは学び続ける姿勢や身の回りの環境です.机上の勉強だけでなく,色々なことに挑戦すること,経験することがとても大事です.
 日向研究室では,人々が安全で安心に暮らせる,また自然と共存できる社会の構築を目指して研究を行っています.主な研究内容は(1)海洋レーダと数値シミュレーションを用いた津波減災技術の開発と (2)海洋プラスチックによる海洋汚染に関する研究です.研究室に配属された学生さんには,それぞれ独立した研究テーマに取り組んでいただいていますが,海洋物理,海岸工学や環境に関する知識・技術を使いならが,また,愛大沿岸環境科学研究センターや外部の大学,企業の方々と協力しながら研究を進めていきます.

図1 実際問題の影響範囲
図2 学びの階層構造

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